(1)放流(ほうりゅう)会(かい)(4月22日)
　海陽(かいよう)小(しょう)学校(がっこう)児童(じどう)90名(めい)、予定(よてい)の2倍(ばい)以上(いじょう)の参加(さんか)となったので、2班(はん)に分(わ)けて行(おこな)う。待機(たいき)の班(はん)は池(いけ)の周囲(しゅうい)にヤナギの枝(えだ)を挿木(さしき)したり、「トンボの卵(たまご)が入っているんだヨ」と説明(せつめい)を受(う)けて、田んぼの土を投入(とうにゅう)するなどして待(ま)ちました。

(2)視察(しさつ)(6月9日)
　京都(きょうと)大学(だいがく)名誉(めいよ)教授(きょうじゅ)　河野(かわの)昭一(しょういち)先生(せんせい)をご案内(あんない)。植物(しょくぶつ)生物学(せいぶつがく)が専門(せんもん)の先生(せんせい)、室蘭(むろらん)の湿原(しつげん)でスゲの研究(けんきゅう)に没頭(ぼっとう)した高校(こうこう)生(せい)時代(じだい)の話(はなし)をされ「粘(ねば)り強(つよ)い挑戦(ちょうせん)を」との激励(げきれい)を受(う)けました。

(3)夏(なつ)休(やす)み観察(かんさつ)会(かい)(8月12日) 近隣(きんりん)の小(しょう)学校(がっこう)5校(こう)に呼(よ)びかけました。お盆(ぼん)の人の動(うご)きと重(かさ)なったためか、二十数名(すうめい)と参加(さんか)は少なかったが観察(かんさつ)にはかえって好都合(こうつごう)。ギンヤンマ、イトトンボ、小さなゲンゴロウ、トミヨ、ヤゴなどを捕(つか)まえていました。
　虫(むし)取(と)り網(あみ)や水槽(すいそう)を持(も)って子ども達(たち)が長靴(ながぐつ)に履(は)き替(か)え集(あつ)まってきた。池(いけ)の上を飛(と)び交うトンボを目(め)で追(お)いかけながら「どうやって採(と)るの?」ととまどっている子が、教(おし)えられながら挑戦(ちょうせん)する。ギンヤンマのオスのお腹(なか)にはきれいな水色(みずいろ)がついている｡「この色(いろ)を泥(どろ)で塗(ぬ)りつぶしメスと間違(まちが)わせオスを呼(よ)び寄(よ)せて採(と)ったもんだ」と話(はなし)を聞(き)く。池(いけ)の中にミズカマキリが枯草(かれくさ)と見(み)まがう姿(すがた)で潜(ひそ)んでいるのを発見(はっけん)。「いた、いた｡」と声(こえ)が上がる｡「水の生(い)き物(もの)は水温(すいおん)が大切(たいせつ)だからね」とアドバイスを受(う)けて頷(うなづ)いて大事(だいじ)に持(も)って帰(かえ)る子ども。好天(こうてん)の中、参加(さんか)した大人(おとな)も子どもも豊(ゆた)かなひと時(とき)でした｡(参加(さんか)者(しゃ)の感想(かんそう))

(4)ホタル観察(かんさつ)会(かい)(8月17日　午後(ごご)8時)
　昨年(さくねん)10月に幼虫(ようちゅう)放流(ほうりゅう)を行(おこな)った子ども達(たち)を中心(ちゅうしん)に父母(ふぼ)と四十数名(すうめい)。 15匹(ひき)ほどの発光(はっこう)。新聞(しんぶん)報道(ほうどう)により翌(よく)夜(よる)から数組(すうくみ)の市民(しみん)が訪(おとづ)れるようになり、夜寒(よさむ)になる8月25日過(す)ぎまで10〜15匹(ひき)ほどの発光(はっこう)が見(み)られる夜(よる)が続(つづ)きました。
　自然(しぜん)状態(じょうたい)でのヘイケボタルの発生(はっせい)は7月20日から月末(げつまつ)までがピーク。ここイタンキでは飼育(しいく)幼虫(ようちゅう)を放流(ほうりゅう)しているために羽化(うか)時期(じき)が遅(おそ)くなっています。7月20日過(す)ぎの発生(はっせい)も少数(しょうすう)見(み)られますので、これが主力(しゅりょく)となったときに「室蘭(むろらん)にホタルが復活(ふっかつ)した」と言(い)えます。

(5)観察(かんさつ)会(かい)(9月19日)
　絵鞆(えとも)小(しょう)学校(がっこう)児童(じどう)4年生(ねんせい)が自然(しぜん)観察(かんさつ)の授業(じゅぎょう)を行(おこな)いました。
　説明(せつめい)を聞(き)いた後(あと)は、水辺(みずべ)の遊(あそ)びに夢中(むちゅう)になってヤンマのヤゴを素手(すで)で捕(つか)まえる子もいました。

(6)現地(げんち)調査(ちょうさ)(9月24日)
　北海道(ほっかいどう)トンボ研究(けんきゅう)会(かい)の研究(けんきゅう)者(しゃ)、3名(めい)でビオトープを調査(ちょうさ)に来(く)る。
　ショウジョウトンボが確認(かくにん)されたことが専門(せんもん)家(か)の関心(かんしん)を呼(よ)び、イタンキの立地(りっち)とビオトープを評価(ひょうか)する嬉(うれ)しいメールをいただきました。 ------------------------------------------------------
　ビオトープに生息(せいそく)するトンボのことでメールさせていただきました。
　先日(せんじつ)のショウジョウトンボに関(かん)する新聞(しんぶん)記事(きじ)の折(お)り、私(わたし)のところにも道新(どうしん)の記者(きしゃ)の方(かた)から電話(でんわ)があり、何点(なんてん)かショウジョウに関(かん)して、および北海道(ほっかいどう)のトンボに関(かん)してコメントさせていただきました。また、室蘭(むろらん)までショウジョウが進出(しんしゅつ)していると聞(き)き、ぜひ拝見(はいけん)したいと思(おも)い、実(じつ)は先日(せんじつ)の日曜日(にちようび)に、室蘭(むろらん)まで走(はし)り、とにかく、行(い)ってみようと、カメラを片手(かたて)に現地(げんち)へ行(い)きました。
　そこで、まずは、その時(とき)の感想(かんそう)からですが「すごい！」の一言(ひとこと)でした。
　小型(こがた)の青(あお)いヤンマを見(み)ておられると思(おも)います(ホームページにも写真(しゃしん)がありました)が、マダラヤンマという種(しゅ)で、北海道(ほっかいどう)から本州(ほんしゅう)中部(ちゅうぶ)まで分布(ぶんぷ)する北方(ほっぽう)系(けい)の種(しゅ)です。北海道(ほっかいどう)レッドデータ種(しゅ)にも記載(きさい)のある大変(たいへん)貴重(きちょう)な種(しゅ)ですが、それがもしかすると北海道(ほっかいどう)で最大(さいだい)の生息(せいそく)地ではないかと思(おも)えるほどの個体(こたい)数(すう)でした。次(つぎ)に、赤とんぼですが、私か行(い)ったときに、池(いけ)の石の上によく止まっていたアカトンボはアキアカネではなくタイリクアカネという道央(どうおう)〜道南(どうなん)では大変(たいへん)珍(めずら)しいトンボでした。(後略(こうりゃく))
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(7)幼虫(ようちゅう)放流(ほうりゅう)会(かい)(11月3日)
　ヘイケボタルの幼虫(ようちゅう)200匹(ひき)放流(ほうりゅう)。海陽(かいよう)小の子ども達(たち)20名(めい)参加(さんか)。2令幼虫(ようちゅう)、5ミリ位(くらい)の黒い幼虫(ようちゅう)、まるで消(け)しゴムのカスみたいのを、10匹(ひき)位(くらい)づつ紙(かみ)コップに入れてもらって、池(いけ)にジャー。放流(ほうりゅう)おわり。家(いえ)で飼(か)うと言(い)う子もいて、餌(えさ)のモノアラガイを教(おし)える。
　あとは、遊(あそ)び。トミヨがよく殖(ふ)えて、けっこう密度(みつど)高(たか)くいるので、小さなアミで数(すう)匹(ひき)。ギンヤンマやシオカラトンボのヤゴも数(すう)匹(ひき)。一番(いちばん)夢中(むちゅう)になったのは、ガマの穂(ほ)。熟(じゅく)して乾燥(かんそう)したガマの穂(ほ)、まるでフランクフルトみたいなやつをパキッと折(お)ると、折(お)れ口(くち)から綿毛(わたげ)がモクモクモク‥モク。教(おし)えられて、みんな夢中(むちゅう)になって、20本(ほん)ほど立(た)っていたガマの穂(ほ)はすっかり無(な)くなって、あたり一面(いちめん)綿毛(わたげ)だらけ。綿毛(わたげ)の中、水面(すいめん)の力尽(ちからつ)きたアカトンボ､「可哀(かわい)そ!」。　子ども達(たち)が命(いのち)のはかなさ、大切(たいせつ)さを考(かんが)えるきっかけに・・・。